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ラブフラワー①ミステリーな初恋。

ラブフラワーシリーズ

ジャンル:ロマンス/ファンタジー

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あらすじ

北海道に暮らす14歳の少女森原春奈は幼い頃に父親を亡くし、一人の時間が多い日々を送っていた。

春奈の学校に涼宮祐樹という男の子が転校してくる、その少年は友達も作らず

いつも教室にこもっていた。春奈はどうにかして祐樹と向き合おうとするが

祐樹はいつも春奈を避けていく、春奈はある日こげ茶色の狼の獣人に助けられる。

春奈はその獣人の秘密を探ろうとするのであった。

変わらないスケジュール

亜里沙「じゃあ、行ってくるね。」

お母さんが玄関のドアを開けて家から出た、私はいつも通り手を振って見送る。

私は森原春奈、中学2年生、栗色の長い髪で緑色の目が特徴の女の子。

バックを肩にせよって、バス停に向かった。

私はお母さんと二人暮らし、お父さんは私が幼い頃に事故で亡くなったらしい。

お母さんが仕事で家にいない代わりに私が家事をしたりご飯を作っている。

はるか「おはよう。」

親友の竹川はるかが背中に手を置いてきた。

春奈「おはよう。」

はるか「ねえ、春奈、今日は私達とステーキ食べに行かない?」

またおごってくれるの?はるかが白い歯を見せてニタっと笑った。

ステーキかぁ…最近食べてないな…

春奈「いいね、何時から?」

はるか「夜の5時。」

今日もお母さんは夜遅くまで仕事だし、今日もおごってもらおう。

はるか「バス来たよ。」

はるかがツインテールを揺らした、バスに乗った。

奥の席にクラスの友達の次口彩と上野麻衣が座っていた。

春奈「おはよう。」

二人がニコッと笑っておはようっと返してきた。

私とはるかは二人の隣に座った。

彩「今日は転校が来るらしいよ。」

彩がつぶやいた、同じクラスの子かな?

彩と麻衣も私の学校に転校してきた女の子。

麻衣「男の子だって。」

男の子!珍しい…!私の学校には女の子が転校してくるのがほとんど。

男の子が転校してくるなんて…珍しい。

彩「みんな、学校着いたよ。」

彩が席から立った、私達も立ち上がる、バスから降りた、学校の門を通った。

階段を登って教室に向かう。

春奈「おはよう。」

元気よく教室のドアを開けた。

直人「おはよう!森原!」

はるかの隣の席の男の子、沢田直人が白い歯を見せてニコッと笑った。

春奈「春奈って呼んでくれない?何回も言ってるけど…」

直人「俺にとっては森原だよ。」

呆れる…直人は小学生の時から同じクラスで小6の時告白してきたこともあった。

その時は私は断ったけど、まだ諦めていない、私の隣の席が開いていた、転校生は隣の席か。

席に座り、ポケットからヘアゴムを出してポニーテールに結んだ。

里美「おはようございます。」

担当の川原里美が教室に入ってきた、先生の後ろにこげ茶色の髪で青緑色の目の

男の子がいた、あの子が転校生?思ってたよりイケメン…!

里美「転校生の涼宮祐樹くんです。」

祐樹くんは私の事をじーっと見ていた。

里美「森原春奈さんの隣ですよ。」

祐樹くんは私の隣に座った、なんか祐樹くんの体から獣みたいな匂いがする。

気のせいか、私は祐樹くんにしゃべりかけた。

春奈「祐樹くんって呼んでいい?私は春奈でいいよ。」

祐樹くんはむすっとして無口だった。

春奈「あの…?」

祐樹「俺に構うなよ。」

祐樹くんはそっぽを向いた、なんなのこの子…

里美「みんな、教科書を出して。」

みんな引き出しから教科書を出した、祐樹くんの席だけ教科書がなかった。

春奈「教科書…忘れたの?」

祐樹「うん…」

私は教科書を開いて祐樹くんの席と私の席をくっつけた。

春奈「私の教科書見せてあげる。」

祐樹くんはお礼一言言わずに教科書を見ていた、授業が始まるチャイムが鳴った。

心が読めない少年

授業が終わるチャイムが鳴った、教科書を引き出しになおす。

直人くんとその友達は走って教室から出ていった。

祐樹くんは席に座って読書をしていた、聞いたことのない小説を読んでいた。

「獣人が操る心」という小説だった、聞いたことないな。

面白いのかな?本のカバーに狼の顔をした獣人の絵が書いてあった。

獣人が主人公の小説って事かな?

春奈「ねえ、それってどんな話?」

祐樹くんに聞いた、祐樹くんは本を閉じてこう言った。

祐樹「お前が好きそうな話じゃないから、てか…俺に構うなって言っただろ!」

急に怒鳴ってきた、そして再び本を開いた。

春奈「…」

これ以上話さないでおこう…また怒鳴られるだけだし。

祐樹くんが何を考えてるか本当に分からないなぁ…

祐樹くんが小声で何か言っている。

祐樹「こいつと一緒にいると…また食っちまう…」

食う…?意味が分からなかった、その言葉は聞かなかったことにした。

この世界に存在する主人公

春奈「やっと終わった…!」

はるか「春奈、私先に帰るね。」

はるかが教室から出て行った、私もバックをせよって教室から出た。

ふとすみっこの席に座っている祐樹くんが目に入った。

春奈「祐樹くん…よかったら…一緒に帰らない?」

祐樹くんは私をにらんだ、青緑色だった目が突撃黄色の目に変わった。

祐樹「俺に構うなって言っただろ!なんでそんなに気にかけるんだよ!」

野獣みたいな怖い声で怒鳴った、そして白い歯を見せてはにかんだ。

春奈「いっつも一人だから…気になるのは当たり前でしょ!」

祐樹「はやく帰れよ!親が心配するぞ!」

私も大きな声で言い返した。

春奈「あんただって!いつまで学校にいる気!親が心配するじゃん!」

そう言って私は教室から出て行った、気にかけてほしくないって事?

私は祐樹くんが読んでいた小説が気になり本屋によることにした。

多分あの小説は恐らく恋愛ものではないだろう…ダークファンタジーかな?

それともホラー?ミステリー?スリラー?20分ぐらいその本を探していた。

そしてやっと獣人の絵が書いてあるカバーが目に入った。

春奈「あった!」

全部で…5巻ある…とても分厚い本だった。

本の裏に言葉が書いてあった、「この主人公の獣人は…この世界に存在する…」と…書いてあった。まさか…狼男すらも存在しないのに…レジに行ってお会計をした。

レジのお姉さんがこんな事を言った。

「女の子もこの小説に興味を持つのね…」お姉さんが袋を渡してきた。

袋を受け取って家に帰った。

春奈「ただいま…」

バックをソファの上に置いた、洗面所で手を洗った。

ソファに座ってさっき買った本のページをめくった。

主人公の獣人の名前は…「涼宮裕樹」祐樹くんと苗字が同じ…

ヒロインの名前は「森原美央」私のおばあちゃんと同じ名前…

この話は…甘く切ない…実話…と書いてあった。

ストーリーに入った、東京都に暮らす一人暮らしの涼宮裕樹は森原美央という女性に恋をする。

だけど裕樹の正体は恐ろしい獣人…!美央に正体を知られたくない裕樹は美央を避けるだけの

恋の生活だった。祐樹くんが獣人…?まさかね…時計を見ると4時30分を指していた。

本にしおりをはさんで本棚にしまった、はるかとステーキを食べに行く約束をしてたんだった!

はやく準備しなきゃ!

私の命を救った獣人

はるか「ねえ、食べないの?」

はるかがステーキを切りながら私の手元を見た。

春奈「食べるよ!いただきます!」

一口サイズに切ったステーキを口の中に入れた。

春奈「祐樹君の事が気になって…」

はるか「そっとしておいたら?」

はるかがつぶやいた、そうだよね…自分だって分かってる…でもついつい気になっちゃう…

はるかの両親は楽しくおしゃべりしながらステーキを食べていた。

私のお母さんも昔はこんな感じだったな…お父さんと笑い話をしながら

ディナーを食べてたっけ…?

春奈「今日はありがとうございました。」

ペコリと頭を下げた、はるかのご両親はあははははっと笑った。

沙由里「いいのよ、また一緒に行きましょう。」

はるかのお母さんが言った。

春奈「じゃあ、私先に帰りますね。」

外に出た、外はもう暗くなっている、大きな風が吹いて髪が揺れる。

家に向かった、外が暗くてまわりがあまり見れない。

春奈「ドン!」

誰かとぶつかってしまった。

春奈「失礼しました…」

!人間じゃない…!狼の顔をした…獣人…?その獣人は鋭い歯を見せてこう言った。

仁「お前…どこ見て歩いてんだ?」

その場から逃げようとした。

春奈「私…もう帰ります!」

その獣人が私の腕を強くつかんできた。

春奈「痛た…」

仁「俺と来いよ。」

このまま私…どうなるの!いやだいやだ!

仁「おいしく食ってやるから。」

その獣人がつぶやいた時…ガブリ!

仁「!」

次はこげ茶色の獣人が現れた、首に嚙みついている。

???「貴様!」

これって…私を助けに来たの?

???「この女に触るな!」

仁「バタン!」

嚙まれた方の獣人は地面に倒れて動かなくなった。

私を助けた方の獣人は私に近づいてきた。

春奈「来ないで…」

その獣人は急にあごくいしてきた、心臓が信じられない速さでドクドクと鳴る。

???「春奈…」

なんで名前を…?私の名前を呼んで姿を消した…

死亡してしまったモテ男子

春奈「…」

私は昨日の獣人の事が気になっていた、彼のことをもっと知りたい。

どうして彼は私を助けてくれたのか…なぜ名前を知っていたのか…

はるか「なにぼおーっとしてるの?」

はるかが机に手を置いてきた、いつもならツインテールに結んでるのに今日はおろしていた。

春奈「昨日…あんまり眠れなかったから…」

にせのあくびを出してごまかす、はるかに昨日のことを話したら…はるかはビックリするどころか

気絶してしまうだろう。

はるか「今日は祐樹くん遅いね。」

はるかが祐樹くんの席を見てつぶやいた。

春奈「本当だね。」

そう思った時…彩と麻衣が走って教室に入ってきた。

彩「春奈!聞いてよ!」

彩と麻衣は席に座って話し始めた。

麻衣「あのね!この学校の人気者だった遠野先輩がね…」

遠野先輩って…1学年上のモテ男子だよね、たしか遠野仁っていう名前で…

彩「遠野先輩が昨日…亡くなったんだって。」

春奈「え!」

亡くなった!なんで遠野先輩が!麻衣の話によると道ばたで遠野先輩の死体が見つかったらしい。

彩「交通事故だって…」

彩が悲しそうな声で言った。

言葉にできない秘密

昨日、私を助けてくれた獣人は私の名前を知っていた、だからこの学校の子だって言うことは

間違いない、でも祐樹くんはありえないし…直人も考えられないし…

じゃあいったい誰だろう?ポケットからリップクリームを出して唇に塗った。

髪も結びなおす、トイレから出て教室に向かっている時…

ドンっ!誰かとぶつかってしまい手に持っていた物が地面に散らばった。

春奈「祐樹くん!」

祐樹くんが怖い目をしてこう言った。

祐樹「気をつけろよ、ドジ。」

ドジ!態度悪る!祐樹くんはしゃがんで私が手に持っていた本を見せてきた。

その本は「獣人が操る心」の3巻だった。

祐樹「なんでお前…この小説読んでるの?お前が好きそうな話じゃないぞ。

感動する話でもないのに。」

なんか祐樹くんの顔がいつもより変だ、大量に汗を流してるし、ちょっぴり顔が青ざめている。

言葉の使い方は相変わらずだけど…祐樹くんの手にも「獣人が操る心」の4巻を持っていた。

地面に散らばったペンなどを拾い始めた。

祐樹「お前、あの小説の話…好きなのか?」

祐樹くんが突撃聞いてきた、緊張しながら答えた。

春奈「好きだよ…祐樹くんは別かも知れないけど…この話…すっごく感動するの…

毎回読むたびに涙出ちゃうの…見た目は関係ないって事が分かってね…」

祐樹くんは急に立ち上がって教室に入っていった、私も立ち上がって教室に入った。

祐樹くんは頭を抱えて訴えていた、すっごく顔が青ざめている。

私はそっとしておくことにした。

小説に書いてあるヒント

裕樹「美央…君に伝えたいことがある…」

獣人の姿になった裕樹くんが美央に言った。

美央「あなたはいったい…誰?」

美央は裕樹くんが獣人だって言うことに気づいていない。

夜が明けて裕樹くんは人間の姿に戻った。

美央「裕樹くん…!」

裕樹「ずっと隠しててごめん…」

最後の章になった、14章を読み終わったところで本にしおりをはさんだ。

ふと隣の席を見ると…祐樹が「獣人が操る心」の5巻を読んでいた。

もう4巻読み終わったんだ、すごいなぁ…

あっ!そういえば!友達の里奈にあの本を返さなきゃ。

ランチの時間になり、私の教室に桜田里奈がお弁当箱を手に持って入ってきた。

里奈「春奈ちゃん!久しぶり!」

里奈はいつも通り元気だなぁ…里奈は里原亮と言う男の子と付き合っている。

黒髪のロングヘアと黒い目が特徴、とってもおてんばな女の子、ちょっぴりドジな一面もある。

私はお弁当箱のふたを開けた、里奈が黒い瞳をキラキラさせた。

春奈「何よ…」

里奈「春奈ちゃんのお弁当に可愛いおにぎり入ってるから。」

ふとお弁当の中身を見る、卵焼きに、ミニトマト、ピーマンの肉巻き、

ハムスターの顔をしたおにぎりが二つ、そんなにうらやましがるかな?

里奈「いただきます。」

里奈が手を合わせた。

春奈「いただきます。」

卵焼きを口の中に入れる。

里奈「ねえ、春奈の後ろの席の男の子ってだれ?」

春奈「ゴホゴホ!」

卵焼きがのどに詰まった、水筒の水を飲んで流しす。

春奈「えっ?祐樹くんの事?」

祐樹くんは何を食べてるんだろう…祐樹くんが座っている席を見た。

春奈「へぇー、祐樹くんはパン食べてるんだ。」

コンビニに売っている惣菜パンを食べていた、ランチの時間になっても

あの小説を読んでいた、なんか変わった子だなぁ、ぶっきらぼうなのにどこか寂しそうな顔をしている、そんな祐樹くんが気になるんだけど…

春奈「一昨日転校してきた男の子だよ、いっつも教室でぼっちなんだよ。」

里奈「祐樹くんも言葉にできない秘密とかあるんじゃないの?ほらファンタジー映画とかによく

あるじゃん!」

春奈「里奈声が大きい!」

里奈はあわてて口をふさいだ。

春奈「祐樹くんを怒らせたら後悔するよ!静かに!」

里奈「はい…」

彼との再会

下校している時の出来事だった…寒い風が吹く道…

男の人と声が聞こえてくる…

「は…る…なぁ…あ…ま…い…に…お…い…がする…」「前を見ろ…は…や…く…」

前を見ろ…?私は今前を見ずに歩いていた、目もつぶっていた。

目をゆっくりと開ける…

春奈「えっ?」

この前…私を助けてくれた獣人「彼」だった…さっきまで大勢の学校の子たちが歩いていたのに

いつの間にかいなくなっていて、私と彼だけになっていた…

甘い…匂いって何?

春奈「甘い匂いって…何が甘いの…」

???「君の…血…一滴でもいいから飲みたい…」

血…!今時…血を飲む獣がいるの?彼

なんで自分が助けた女の子の血が欲しいの?なんで…?

春奈「なんであの時助けてくれたの?私…あなたの名前も知らないし何者かも知らない。

なんで名前を知ってるの?あなたの名前はなんなの!」

つい怒鳴ってしまった、あわてて口をふさぐ。

???「血の匂いが…もう耐えられない…」

彼の口からよだれがたれている、つばをゴクリっと飲んだ。

赤色の舌を出し口の周りをなめている、彼がこっちに近づいてくる…

これは夢…これは夢…夢なら早く覚めて!パッっと目を開くと…彼の姿はなかった。

里奈「!春奈ちゃん!一緒に帰ろう。」

里奈が後ろから話しかけてきた。

春奈「いいよ…行こう…」

血の匂いにつられて…

家に帰り、手を洗い制服から着替えた、ソファに座りパソコンを開く。

「獣人」と検索する、「獣人」、半分が動物で半分が人間の姿をした生き物を指す。

肉食動物の姿をした獣人だと血の匂いに反応し興奮する。

乱暴な獣人がほとんどだが中には愛する人を守ろうとする獣人もいる。

パソコンを閉じた、体がブルブル震える。

ガチャリ、玄関のドアが開きお母さんが入ってきた。

亜里沙「ただいまぁ、春奈、今日は春奈が大好きな肉じゃがよ。」

大きなビニール袋を二つ持っていた。

春奈「お帰り…今日は早かったね…」

亜里沙「今からご飯作るから、待っててね。」

お母さんはキッチンに向かっていった。

亜里沙「春奈、明日学校休みよね?」

春奈「そうだけど…」

亜里沙「おばあちゃんとおじいちゃんが家に遊びに来るの。」

そうなんだ…なんかお菓子でも作ってあげようかな?

亜里沙「なにか作ってあげたら?」

私の心を読んだの?作るって言っても…何にしよう…

マドレーヌとかかな?うーん…かぼちゃパイとかいいかも!

春奈「思いついた!かぼちゃパイにしよう!」

私は人差し指を立てる、お母さんは手を合わせた。

亜里沙「おばあちゃんとおじいちゃん絶対に喜ぶわ、一緒に作りましょう。」

恋人の切ない過去

次の日、朝早くから朝食を済ませ、着替えをしてキッチンでかぼちゃパイを作っていた。

春奈「早く焼けないかな?」

パイが焼けるまでキッチンの上の物を片付ける。

亜里沙「もう焼いてるの?早いわね。」

お母さんにほめられ顔が真っ赤になる。

チーン!オーブンの音が鳴った、ミトンをつけてゆっくりと開ける。

春奈「いい感じ!」

焼きたてのパイをお皿に盛りつけた、ピンポーン!チャイムが鳴る音がした。

お母さんが玄関のドアを開ける。

美央「あら、久しぶりね。」

裕樹「ほら祐樹!あいさつしなさい!」

祐樹?まさか祐樹くんの事?まさか…

祐樹「よお。」

亜里沙「知り合いなの?」

なんで祐樹くんが出てくるの?祐樹くんが靴を脱いで家に入った。

祐樹くんの手には黒色の紙袋を持っていた。

美央「このパイ、春奈が作ったの?おいしそうだわ。」

おばあちゃんが目をキラキラさせた、かぼちゃパイをほおばった。

美央「美味しい。」

春奈「よかったぁ。」

祐樹「春奈…」

祐樹くんが初めて私の名前を呼んだ、私の腕をつかんできた。

祐樹「上の階に…」

祐樹くんは私の腕を引っ張りながら階段を登っていく。

春奈「急に何?パイ食べないの?甘い物キライ?」

祐樹「今はそんな話じゃないから!」

といつもと同じように怒鳴ってきた、祐樹くんが部屋のドアを開けた。

春奈「何?私…変な事した?」

祐樹くんの顔が真っ赤になっている、唇をかみしめ手に持っていた袋を渡してきた。

祐樹「あげる…サプライズじゃないからな!」

袋を受け取り中身を見た、分厚い本が3冊入っていた。

中身を出した。

春奈「これって…」

「獣人が操る心」の6巻、7巻、8巻だった、まだ続きがあったんだ。

祐樹「プレゼントじゃないから!ただ…お前がこの小説が好きだって言ってたから…」

春奈「いや、絶対にプレゼントじゃんか!顔に出てるよ!」

私はクスクスと笑う。

祐樹「うっせえな!本当にプレゼントじゃないから!俺に期待するなよ!」

春奈「プレゼント以外だったら何があるの?変なの。」

祐樹くんは私の笑顔を見て悲しげな顔になった。

祐樹「お前って俺の母さんみたいなこと言うよな…」

春奈「えっ?」

お母さんみたいなこと言うって何?祐樹くんが話し始めた。

祐樹「お前の笑顔が母さんの笑顔に似てるんだよ、母さんが言いそうな事も言うし…」

お母さん…亡くなったとか?

祐樹「俺の母さんは俺が8歳の頃に病気で死んだ、その時は死の意味が分からなかったから

母さんの死を受け入れることができなかったんだよ。」

私と同じだ…私も死の意味が分からなくて、お父さんの死を受け入れる事が出来なかった。

春奈「お母さんの事…もっと教えて。」

祐樹くんは涙を流しながら話し始めた。

祐樹「母さんは病院の先生だったんだよ、頑張り屋だったらしい。

でも…俺を産む前…母さんはガンになったんだよ。」

先生「沙由里さん…今の状況では子供を産むことは無理です…」

沙由里「えっ…そんな…」

先生「病気が悪化してしまい…そうなると…あなたは長くは生きれないでしょう…」

祐樹「でも母さんは死んでもいいから俺を産むって決めたんだよ。」

沙由里「ああああああああああ!ああああああああああ!」

看護師「生まれましたよ…!」

沙由里「祐樹…こっち見て…」

春奈「そうなんだ…私のお父さんもガンで亡くなったの…」

祐樹くんにこんな切ない過去があったなんて…

春奈「その後…どうなったの?」

祐樹くんは涙をぬぐった。

祐樹「入院したよ…ほぼ毎日…」

沙由里「祐樹、学校はどうなの?」

祐樹「女の子達に囲まれた、おまけに告白された。」

沙由里「祐樹は将来かっこいい男の子になるわ、運動神経バツグンで。」

春奈「本当に運動神経バツグンなの?」

祐樹「バツグンってわけじゃない!まあまあだよ。」

春奈「祐樹くんは何かもっと秘密がありそう。」

祐樹「はっ?」

思わず祐樹くんがこっちを見る、何か変な事言ったかな?

春奈「何か変かな?」

そして祐樹くんは立ち上がって…

祐樹「そうさ!俺は秘密が多い少年さ!お前は俺の秘密なんてなんも知らないだろ!」

祐樹くんが急に怒鳴って来た、私は固まってしまい言葉が思い浮かばなかった…

祐樹「俺帰るよ!じゃあな!」

春奈「待ってよ!」

ガチャン!部屋のドアが閉まった、私は彼を止めることが出来なかった…

すれ違う毎日

翌日学校に行くと祐樹くんの席は私と離れていて、私の隣が直人くんになっていた。

なんであの時…私には祐樹くんが似合わないって事かな?だって直人くんの隣の席になったんだから…私はニコッと笑って直人くんの隣に座った。

春奈「おはよう、私の隣の席って直人くんの憧れだったでしょ?」

直人くんは栗色の目をキラキラさせる。

直人「これからよろしくな!春奈!」

と言い私の肩をポンっとたたいた、今…「春奈」って…

春奈「直人くん髪切ったの?」

直人「えっ?まあちょこっとだけ。」

私と直人くんは授業が始まるまで笑い話をしていた、その光景を祐樹くんはじーっと見ていた。

私と直人くんは気が合うみたい、一緒にお弁当を食べることも多かったし

天気がいい時は一緒に外で遊んでいた、直人くんと仲良くなってから祐樹くんとは話す機会がなくなってしまった。

一つ…私が困っていることがある…それは…「獣人の操る心」が捨てられないと言うこと…

すっごく分厚い本だから直す場所が少なくなってしまう、でも捨てられないのだ。

亜里沙「どうしたの?食べないの?」

その日はお母さんと高級イタリアンレストランに行ったけど祐樹くんの事で食力がなかった。

春奈「ちょっと…いろいろあってね、せっかく来たんだから食べるよ!」

亜里沙「もしかして…涼宮くんの事?」

涼宮!サラダがのどに詰まった、コップを手に取って飲んだ。

春奈「涼宮くんって…涼宮祐樹?」

お母さんがうなずく。

亜里沙「だってあんなに仲良くしてたのに、今は沢田くんと?」

春奈「まあね…」

亜里沙「涼宮くんは年頃の男の子だからねぇ…」

そう言いお母さんはステーキを切る、祐樹くんと仲直りしたいなぁ…

心臓が返事をするようにドクンっと鳴った。

 

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